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作成日:2026/02/12
【2026最新】取適法とは?下請法改正を「経営の武器」に変える実務ガイド:60日ルールへの対応と組織DX化の手法


2026年1月より、取引のルールが激変しました。新法「取適法」の施行により、これまでの「当たり前」が通用しなくなっています。

「うちは資本金が小さいから関係ない」「長年の付き合いだから大丈夫」――そんな思い込みが、予期せぬ法令違反を招く時代です。今回の改正の目玉は、立場の弱い受注者を守るための徹底した「適正化」です。労務費の上昇を背景とした価格転嫁のルール化など、現代のビジネス環境に即した厳しい内容となっています。施行後最初の大きな山場を迎える前に、いま一度確認しておくべき重要事項をまとめました。

目次
 1. 取適法(中小受託法)とは?
 2. 主な改正点と適用対象の拡大
 3. 3月末までに完了「取適法」対応To-Doリスト 
 4. まとめ

取適法(中小受託法)とは?

多くの方が「下請法の改正」と認識されていますが、その法的実態を正確に捉える必要があります。正式名称は「製造委託等に係る中小事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」であり、旧来の下請法を現代の多様な働き方に適応させるべく、大幅にアップデートしたものです。
その背景には、従来の資本金基準だけでは守りきれなかった「フリーランス(個人事業主)」や「スタートアップ企業」を、不当な買いたたきや支払遅延から保護し、日本経済の基盤である中小事業者の利益を確実に守るという強い意図があります。
 
主な改正点と適用対象の拡大

取適法への移行により、保護の網は大幅に広がり、従来の「下請法対象外」という認識は通用しなくなりました。主要な変更点を以下の比較表にまとめます。
項目
旧・下請法
新・取適法(2026年1月施行)
正式名称
下請代金支払遅延等防止法
製造委託等に係る中小事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律
適用判断基準
資本金基準のみ
資本金基準 または 従業員数基準(300人/100人以下)
保護対象の拡大
資本金区分により制限あり
フリーランスを含むすべての個人・中小事業者を網羅
取引範囲の拡大
従来の4類型
「特定運送委託」「金型以外の型・治具等」を新規追加
新たな禁止行為
11の禁止行為
上記に加え「価格交渉の拒否」「手形払の事実上禁止」を追加

「みなし適用(子会社トラップ)」に注意
経営者が特に警戒すべきは、資本金の小さい子会社を介して発注することで法の網を逃れようとする行為です。親会社が実質的に支配する子会社が、親会社からの依頼の相当部分を再委託する場合、その子会社は「委託事業者」とみなされ、厳しい規制の対象となります。「子会社だから大丈夫」という安易な判断は、グループ全体のレピュテーションリスクに直結します。
 
■ 発注者が守るべき「4つの義務」と「11の禁止行為」
経営者は、これらのルールを単なる「事務作業」ではなく、プロジェクトのビジョンを共有し、摩擦を防ぐための「メッセージボード」として活用していきましょう。

 □4つの義務
1. 発注内容の明示義務: 委託内容、報酬、納期等を書面(またはメール等の電磁的方法)で即座に交付する。
2. 支払期日の設定義務: 受領日から60日以内の、できる限り短い期間で定める。
3. 書類保存の義務: 取引記録を作成し、2年間保存する。
4. 遅延利息の支払義務: 期日を超えた場合、未払額に対し年率14.6%の利息を支払う。

□11の禁止行為と戦略的視点
「受領拒否」「代金の減額」「返品」「買いたたき」などは、重要なビジネスパートナーの経営に悪影響を与え、自社のサプライチェーンを崩壊させるリスクがあります。特に以下の新設ルールには細心の注意が必要です。

• 協議に応じない一方的な代金決定の禁止: 労務費や原材料費の高騰を受け、受注側が協議を求めた場合、経営者は誠実に対話のテーブルに就く義務があります。無視や先延ばしは明確な違反です。
• 手形払等の事実上の禁止: 2026年度末の手形廃止方針に合わせ、手形や電子記録債権による支払いは、支払期日(60日)までに現金化できない場合、すべて「支払遅延」として扱われます。キャッシュフロー管理の抜本的な見直しが求められます。
 
 出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係
 
3月末までに完了「取適法」対応To-Doリスト

2026年1月施行の「取適法」対応は、年度末の3月が最初の大切な節目です。価格交渉や支払いフローの確認など、今から準備しておけば新年度を安心して迎えられます。まずは優先度の高いTODOリストで、現状を点検してみましょう。

STEP 1取引先リストの「再・棚卸し」
取適法では、下請法の対象外だったケースでも、「従業員数」の基準によって新たに対象となる取引が発生しています。
 
✅資本金基準だけでなく、従業員数基準(例:301人以上 vs 300人以下など)に照らして、全取引先を再分類する。
 
✅ 新たに対象となった取引先に対し、自社が「特定委託事業者」に該当することを前提とした契約管理体制を敷く。
 
STEP 2価格交渉の「トリガー(きっかけ)」を仕組み化する
「相手から言われたら考える」という受動的な姿勢は、今の時代、リスクでしかありません。
 
✅定期的な価格協議の場を設けることを社内ルール化する。
 
✅原材料費や労務費(最低賃金改定など)の変動に基づいた「価格改定のガイドライン」を明文化する。
 
✅ 現場担当者が独断で「据え置き」を決定できないよう、決裁ルートを見直す。
 
STEP 3発注・支払フローの「完全デジタル化」
口頭発注や「あとで書面を送る」といった運用は、取適法では即座に是正対象となります。
 
✅ メールやチャット、EDI(電子データ交換)による「即時交付」の仕組みを確立する。
 
✅ 支払サイト(期間)を再点検し、2026年度中の「現金振込・手形廃止」に向けた移行スケジュールを確定させる。
 
STEP 4現場(発注担当者)へのコンプラ研修
制度を作るだけでは不十分です。実際に取引先と接する現場が「これまでの常識」で動いてしまうのが一番の懸念点です。
 
✅ 2月〜3月中に、現場担当者向けの勉強会を実施する。
 
✅ 「買いたたき」や「不当な経済上の利益の提供(無償のやり直しなど)」に該当する具体例を共有する。

まとめ

取適法への対応は、これまでの「当たり前」見直し、新しい時代のスタンダードを構築する作業です。取引先をコストと見るか、共に未来を創る「対等なビジネスパートナー」と見るか。その姿勢の差が、2026年以降の企業の命運を分けます。
適正な取引は、社員に安心を与え、組織に活気をもたらし、結果として強固な経営基盤を作り上げます。私たちみらいくは、経営者に寄り添い、共に「経営の武器」を磨き上げるパートナーでありたいと考えています。
変化を恐れず、この法改正をバネに、貴社の可能性を最大化させていきましょう。実務の不安、組織づくりについて、お気軽にお問い合わせください。
 


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