労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する事業場に、就業規則の作成を義務付けています。就業規則を作成した後は、その内容を従業員に周知しなければなりません。就業規則は、一度作成したら終わりではなく、法律等の改正により、見直しが必要になることがあります。
労使間の無用のトラブルを防止し、働きやすい職場を作るために、就業規則はとても重要です。就業規則について是非知っておきたいポイントや注意点について解説します。
目次 1. はじめに 2. 就業規則の記載事項 3. 就業規則の作成義務 4. 就業規則の周知 5. 就業規則の見直し 6. おわりに |
就業規則とは、労働者の賃金や労働時間などの労働条件に関すること、職場内の規律などについて定めた、職場における規則集(ルールブック)のようなものです。
職場でのルールを定め、労使双方がそれを守ることで、労働者が安心して働くことができ、労使間の無用のトラブルを未然に防ぐことができます。
図1 就業規則に記載する事項(※)
就業規則に記載する事項には、必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)と、定めをする場合には記載しなければならない事項(相対的必要記載事項)があります。
就業規則は、法令や労働協約に反してはなりません。また、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となります。無効となった部分は、就業規則で定める基準が適用されます。
法律上は、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、必ず就業規則を作成しなければなりません。一方、常時使用する労働者が10人未満の場合は、就業規則の作成は義務ではありません。
とはいえ、労働条件や職場で守るべき規律などをめぐる事業主と労働者との間の無用の争いごとを未然に防ぐという点から、作成することが推奨されています。
図2 就業規則の作成・変更(※)