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作成日:2024/11/13
道路交通法改正|自転車の「ながらスマホ」「飲酒運転」の罰則が強化されました


2024年11月1日より、改正道路交通法が施行され、自転車の危険な運転に対して新しく罰則が適用されるようになりました。自転車通勤の方がいる事業所や、業務で自転車を利用することがある事業所では、特に注意が必要です。

 

目次
 1. 2024年11月の道路交通法の改正点    
 2. 自転車関連の事故は増加している
 3. 自転車損害賠償責任保険
 4.  おわりに




2024年11月の道路交通法の改正点


自転車運転中の携帯電話使用等に起因する交通事故が増加傾向であること、及び自転車を酒気帯び状態で運転した際の交通事故が死亡・重傷事故となる場合が高いことから、交通事故を抑止するため新しく罰則規定が整備されました。

 

運転中のながらスマホ

携帯電話等(スマートフォンなど、以下「スマホ等」といいます)を手で保持して、自転車に乗りながら通話する行為、画面を注視する行為が新たに禁止され、道路交通法による罰則の対象となりました。ただし、停止中の操作は対象外です。

スマホ等を手に持ち通話のために使用しながら自転車を運転した場合、画面に表示された画像を手で保持して注視しながら自転車を運転した場合には、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金となります。また、スマホ等を使用または画像を注視しながら自転車を運転し、事故などの「交通の危険」を生じさせた場合、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

 

図1 運転中の「ながらスマホ」の罰則強化
出典:リーフレット「自転車の危険な運転に新しく罰則が整備されました」(警察庁)

 






酒気帯び運転及び幇助(ほうじょ)

自転車の酒気帯び運転のほか、酒類の提供や同乗・自転車の提供に対して新たに罰則が整備されました。違反者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金、自転車の提供者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金(車両提供罪)、酒類の提供者・同乗者は2年以下の懲役または30万円以下の罰金(酒類提供罪/同乗罪)となります。

 

図2 酒気帯び運転および幇助の罰則強化
出典:リーフレット「自転車の危険な運転に新しく罰則が整備されました」(警察庁)

 

「運転中のながらスマホ」や「酒気帯び運転」は、自転車運転者講習の対象に

自転車運転者講習とは、自転車の交通ルール遵守を徹底するため、自転車の運転に関し一定の違反行為(危険行為)を3年以内に2回以上反復して行った者に対し、都道府県公安委員会が講習の受講を命ずるものです。

 

危険行為 全部で16種類あります

・信号無視 ・通行禁止違反 

・歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)

・通行区分違反 ・路側帯通行時の歩行者の通行妨害 ・遮断踏切立入り

・交差点安全進行義務違反等 ・交差点優先車妨害 

・環状交差点安全進行義務違反等

・指定場所一時不停止等 ・歩道通行時の通行方法違反

・制動装置(ブレーキ)不良自転車運転

酒酔い運転、酒気帯び運転(2024年11月追加)

・安全運転義務違反

ながらスマホ(2024年11月追加)

・妨害運転

 

 

 

図3 自転車運転者講習(出典:政府広報オンライン)

自転車関連の事故は増加している


自転車は便利なものですが、自転車での通勤や業務における利用に関しては、事故の発生が懸念されます。自転車関連の事故は増加傾向にあり、2023年の全交通事故に占める自転車関連事故の構成比は23.5%にも上っています。全交通事故の4件に1件が、自転車関連ということです。

表1 自転車関連事故件数の推移(出典:政府広報オンライン)

 

自転車損害賠償責任保険


自転車事故により、従業員がケガなどをされることが心配ですが、同時に、自転車事故が原因で、高額な損害賠償を請求されることへの備えも重要です。

多くの地方自治体が、条例により「自転車損害賠償責任保険」等への加入を義務づけています。本年4月1日現在では、34都府県で条例により自転車損害賠償責任保険等への加入が義務化され、10道県において努力義務化されています。