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作成日:2024/05/01
保育士実態調査:保育の現場の現状と課題


保育士業界では、長年、保育士の待遇や職場環境等が問題視されてきましたが、まだまだ解決には至っていないのが現状です。

そのような中で、保育士の離職防止、就職支援等に生かすため、現役の保育士の方や、過去に保育士として就業経験のある方を対象に、保育士の就労状況等に関する調査(アンケート)を行っている地方公共団体がいくつかあるようです。

東京都では、令和4年(2022年)、保育士有資格者を対象とした「東京都保育士実態調査」が行われました。当記事ではこの調査結果についてご紹介します。

※調査結果の詳細は、東京都福祉局ウェブサイトに掲載されています。

 

◆調査概要

【調査対象及び人数】平成294月から令和43月までの東京都保育士登録者等

(書換え登録等を含む。)52,856

【調査方法】 郵送配布・インターネット回収(一部、郵送回収併用)

【調査実施期間】令和4725日から令和4814日まで

【回収数】有効回収数 18,239件(有効回収率39.7%

【調査実施機関】株式会社サーベイリサーチセンター

 

◆回答者の属性

【性別】女性:94.0%、男性:5.8%(図1

【年代】20代(31.5%)から70代以上(0.6%)まで(図2

【現在の就業状況】

現在保育士として就業している方:61.8

現在保育士として就業していない方:38.2%

 (うち、過去に保育士として就業経験のある方:12.3%) (3)

              


◆現在の職場環境等について

 現役の保育士の方は、現在の職場環境や、今後のキャリアについてどのように考えているのでしょうか。関連する調査結果をまとめました。

 

【現在の職場で働き続けるために充実を希望する項目】
現在の職場で働き続けるために充実を希望する項目は、「給与」が約8割で最も多く、次いで、「職場の人間関係」、「休暇」、「勤務時間・交代制の融通がきく」となりました。(4)

               

【現在の職場で改善を希望する項目】
現在の職場で改善を希望する項目は、全体で「給与・賞与等の改善」が最も多く、次いで、「職員数の増員」、「事務・雑務の軽減」など、勤務条件や労働条件に関する項目が高い割合を示しています。(5) 保育士は、専門知識を有する国家資格であり、人間の成長にとっての大切な時期に関わる仕事ですが、世間には「子守」や「誰でもできる仕事」等といった誤解や偏見があり、社会的な地位が低く、給与が安いとのご意見もありました。
               

<<保育士等の声>>

(女性、45~49歳、現職)
保育士の社会的地位が低いため、誰でもできる仕事、遊んでいて羨ましい、などの声が聞かれる。(中略)給与面が上がれば、志を持って目指す人が増えるのではないかと考える。このままでは保育の質は上がらないと不安を感じる。
(女性、5054歳、現職)
もっと人材の確保が必要。実際はどこの園も人手が足りずに知識技能のある保育士がそれを十分に活用できていない。また子ども達へ手厚く丁寧な保育をしたいという希望や理想を持っていてもそれをかなえられる環境には至っていない。



【保育業務支援システムの導入】
現在の職場に保育業務支援のためのシステムが「導入されている」と回答した方は約7割で、前回調査(平成30年)よりも20%以上増加しました。この5年間で、保育業務支援システムの導入は、ある程度進んだといえそうです。(6、左)

              

また、「現在の職場で導入した保育業務支援のためのシステムが業務負担の軽減につながっているか」との設問では、「そう思う」「ややそう思う」の合計が約7割を超え、「あまりそう思わない」「そう思わない」の合計の約3割を上回りました。(6、右)

 

<<保育士等の声>>

(女性、30〜34歳、現職)
もちろん書き物がない分の負担は軽減されていると思いますが、勤務時間に対する仕事量の多さはそれ程変わらず、休日や勤務後に書類関係(システムを利用して)を行うことが多いので、そのあたりの業務のスマート化ができると良いかと思います

 

 

【役職(上位の役職)への就任希望の有無】
現役の保育士の方の、役職(上位の役職)への就任希望の有無は、「就任したい」(はい)は2割台半ば、「就任したくない」(いいえ)は約7割となりました。(7、左)
役職(上位の役職)への就任を希望しない理由は、全体で「責任の重い仕事をしたくない」が4割強で最も多く、次いで、「役職に見合った昇給が見込めない」、「今の仕事やポジションに満足している」となりました。(7、右)
           

<<保育士等の声>>

(男性、25〜29歳、現職)
一般企業や教員として働く同世代の友人と年収や福利厚生を比較してみると大きな差が開いているのを実感しています。また、管理職の仕事には、給料面、仕事内容等、魅力を感じることがどうしてもできません。このまま、保育士としてキャリアを積むべきか真剣に悩んでいます。
 




【保育士就業継続の意向】
就業継続意向に関する設問では、「今後も保育士として働き続けたい」と考えている方が約8割でした。一方、退職を考えている方の割合は約2割となりました。(8) 保育士として働き続けたいという希望を持っている多くの方々に、長く仕事を続けていただけるよう、支援の体制を整えていくことが必要だと言えるでしょう。
                  


<<保育士等の声>>

(女性、2024歳、現職)
現在の保育士の配置基準では子どもに丁寧に関わる余裕がなく、毎日があっという間に過ぎてしまう。(中略)また、書類等の業務が勤務時間内に取れず、サービス残業で行なっている先輩の姿をよく見かけるため、自分にもこの先このような働き方が待っているのかと思うと日々不安です。
(女性、30〜34歳、現職)
保育士として働けることに誇りを持っていますし、とてもやりがいのある仕事だなといつも思いますが、体力が必要な仕事なので、自分が出産した後など、ルタイムで職場復帰できるか不安です。


 

◆離職について
保育士としての就業経験をお持ちで、現在は保育士として就業していない方は、どのような理由で離職に至ったのでしょうか。「離職」に関連する調査結果をまとめました。

 

【保育士を辞めた理由】
保育士として就業経験のある方が、保育士を辞めた理由は、「職場の人間関係」が最も多く、次いで、「仕事量が多い」、「給与が安い」、「健康上の理由」となっています。(9)仕事量が多く、多忙で余裕がないことが、人間関係にもマイナスの影響を与えているとのご意見もありました。
              

<<保育士等の声>>

(女性、20〜24歳、就業経験あり)
保育士の人数が手薄な為、一人一人に降りかかる仕事の量が多いこと、みんな余裕がなく、後輩や同僚への伝え方や子どもへの態度も冷たく気持ちの良い雰囲気で仕事が出来てないので、根本的に保育士の配置基準を変えるべき。

女性、25〜29歳、就業経験あり)
保育の仕事はとてもやりがいがありましたが、勤務内容の多さに伴い、勤務時間が長く、自宅で仕事をしたり、休みの日に園に行って仕事をすることも多く、やりがいだけでは心身共に追いつかなかったです。


(女性、6064
歳、就業経験あり)
日々、保護者からのちょっとした心無い言葉に、ストレスを感じたり、心がつらくなったりしている現状をいつも見ていて、健康的な精神状態ではないことが多いと思います。 各園に、保育士を支援する専門家などの配置と、配置した場合の補助など検討が必要と思います。



【復職する場合の希望条件】

保育士として就業経験のある方が、今後、保育士として復職する場合に希望する条件としては、「勤務時間(1日)」7割台半ばで最も多く、次いで、「給与等(年収)」が約7割、「通勤時間(片道)」が約6割、「勤務日数(週)」が6割弱となっています。(10)

また、配偶者と子供の有無別でみると、配偶者有り・子供有りの方は、雇用形態として「パート・非常勤雇用」を希望する方、希望条件として「働くことが可能な家庭の状況」を挙げた方が、他の属性よりも多くなりました。復職にあたっては、ご自身のご家庭との両立が可能かを考えている方が多いことがうかがえます。

             

<<保育士等の声>>

(女性、4044歳、就業経験あり)
現在、幼稚園教諭として働いています。子どもがいると早番遅番等は難しいので幼稚園勤務の時間帯が働きやすいのが現状です。その辺が考慮されるのであれば保育園でも働きやすくなるのかなと思います。
(女性、35〜39歳、就業経験あり)
将来は保育士として復職したいと思っているが、我が子との過ごす時間や家事も大切にしていきたい。 保育では信頼関係を築くために子どもとの継続的な関わりが重要なこともあり、非常勤でも週5日勤務が多い。働く側としては2日や週3日でも勤務が可能な園が増えると復職しやすいと感じる。




◆おわりに

 今回の調査では、保育士業界の深刻な人手不足、保育士の抱える将来への不安、復職への課題等が改めて浮き彫りになりました。「みらいく」では、保育業界へのご支援を通じてその背景をニュースを取り上げていく予定です。

※この記事では、今回の調査で回答者の方から寄せられた多くのご意見の一部を抜粋して<<保育士等の声>>としてご紹介させていただきました。

調査結果の詳細は、東京都福祉局ウェブサイトでご覧いただけます。

 


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